「髪のパサつき」は漢方で解消!
髪は血の余り(血余)といわれ、漢方では髪のパサつきを「血枯」として対処し、髪と血行は切り離して考えられないものです。つまり、血枯、血虚などの原因で髪も自ずとパサついてくるのです。そこで、おすすめしたい漢方薬が、滋血潤腸湯(ジケツジュンチョウトウ)です。この薬は、胃腸を整えながら、全身の皮膚や頭髪の血行を促す、すぐれた働きがあります。しばらく飲んでいれば、髪のパサつきが治まってくるだけでなく、肌ツヤもよくなり、肩こりや便秘の改善も期待できます。
女性の場合、自律神経の失調など神経系の乱れによって、生理異常になったり肌や髪のうるおいが失われたりすることがよくあります。そういった神経やホルモンなど体のコンディションの乱れがある場合には、加味逍遥酸合四物湯(カミショウヨウサンゴウシモツトウ)を飲んでみることをおすすめします。この薬は、二つの漢方薬を合わせたものですが、加味逍遥酸は神経の働きを整えて生理を正常に促す効果があり、四物湯には乾燥した皮膚や髪をうるおす作用があり、髪のパサつきの根本治療には欠かせない漢方薬です。
髪や爪は血の余りと云われるように、おそらく疲労が原因で、内臓が弱まり、「血虚」という血液が十分に循環できない状態に陥っているのではないでしょうか。そういう場合には、人参栄養湯(ニンジンエイヨウトウ)を一ヶ月半くらい続けて飲めば、すっかり体力も回復し、髪のうるおいも戻ってくるはずです。この薬は、食欲増進、体力増強、増血剤として元気をつける働きがあるので、夏バテのときに飲んでもたいへん効果を発揮します。