女性ホルモンの低下でおこる関節痛があります。
朝、手の指がこわばっていたり、特にいつもと違うことをしたわけでもないのに、足首や手首、膝や指の関節が痛いことがあります。
関節炎でもないのになぜ???
こんな症状に心当たりはありませんか?
女性ホルモンの低下がもたらす痛みかもしれません。
加齢とともに増える関節の痛み
リュウマチや膠原病で関節か痛むことがありますので、関節痛が1週間以上続くようなら診察を受けた方がいいでしょう。
女性のからだに起こる関節の痛みは、整形外科的な原因でない場合、ほとんどは更年期障害での関節痛であることが多いです。
特に、更年期の前段階である40代前半の女性におこる関節痛は、卵巣機能の低下が招くもので、女性ホルモンの分泌が低下しているサインです。
整形外科的な関節痛の主な原因は、摩擦による関節軟骨の減少だといわれています。関節軟骨は、コラーゲン線維に付いたヒアルロン酸の芯に、コンドロイチン硫酸が網のように張り巡らされたひと塊がいくつも連なって構成され、関節液を保持することでクッションのように関節にかかる力を吸収しています。しかし、動くたびに関節軟骨は摩擦で磨り減ってしまうため、常に体内で産生され、一定の量が保たれているのです。ところが、加齢によって軟骨を作り出すはたらきが衰えたり、体の重みによって摩擦が激しくなったりすると、補充が間に合わず、軟骨は減ってしまいます。その結果、遊離した軟骨や、骨同士が直接触れ合うことが原因となって、関節を包み込んでいる関節包や骨と骨を結びつける靭帯に炎症が起こるため、痛みを生じるのです。これが進んで骨が変形すると、「変形性膝関節症」になります。
また、関節炎は、関節液(滑液)の減少によっても起こりやすくなります。関節液とはヒアルロン酸を含んだ粘りのある液体で、関節をスムーズに動かす潤滑油のはたらきや、栄養や酸素を軟骨に供給するはたらきをしています。この関節液の分泌は、加齢とともに減少するため、年とともに関節の動きがスムーズでなくなったり、ひどい場合は、関節を包み込んでいる関節包が引っ張られたり、靭帯が伸びたりして、炎症を起こしてしまうのです。
このほかの原因としては、主に加齢や体重増加によって起こる「変形性膝関節症」をはじめ、「関節リウマチ」やひざの周辺の骨折、靭帯や半月板を痛めるなどの外傷によるものが考えられます。「関節リウマチ」は、免疫反応の異常により、免疫細胞が自分自身の関節組織を攻撃し、炎症を起こしてしまう病気。このほか、体内の代謝異常によりできた物質が原因で関節に痛みが生じる「痛風」などがあります。